滞納家賃が回収できずお困りの大家さんへ
アパート,マンション,コーポなど不動産経営は従来まで手堅い投資だと考えられてきましたが,この時代においては家賃の滞納が増えつつあり,甘く見ると大やけどを負います。
仲介業者任せにしないで不良家賃滞納者や管理費滞納者といかに対応するかのノウハウの蓄積がこれからの大家さんの必須条件になります。
また家賃保証会社リプラスの破産でわかるように大家さんにとっても万全な体制ではありません,最近は景気の悪化や雇用関係の悪化により家賃滞納者や家賃滞納額が増加傾向です。これは住居を貸している大家さんにとっては大きな問題で、収入が入ってこないのに、その滞納家賃や滞納管理費に対しては税金が課せられてることからすれば,大家さんも収益物件の価値を自衛する為にも家賃の滞納に備えての強制退去や回収ノウハウが必要となってきています。
入居の際の契約で気をつけるべきこと
入居時で大事なことは契約書作成と同時にできるだけ入居者,保証人の情報を集めておくことが必要です。家賃や管理費を払って行けるのかどうかの信用力調査のノウハウが将来の大家さんのリスクを低減させることになります。
契約を結ぶ際に準備すべき必要書類
- 収入証明書,連帯保証人引受承諾書,印鑑証明書など
- 住民票(本籍地入り)
- 免許証コピー
- 連帯保証人引受承諾書
- 印鑑証明書など
その他,クレジットカードと直近の明細書や携帯の直近請求書など
滞納家賃の回収にむけた具体的対応はどうするべきか 家賃回収に向けたアクション
口頭,電話,はがきなどによる催促や督促でも何ら反応がない場合には滞納の危険信号です。ここでは大家さんの行動力がカギとなります。なにもしないでいると家賃滞納を認めている状態になりそのまま家賃やマンション管理費の回収ができず滞納家賃がずるずると膨れ上がることになります。早期のアクションが重要です。
ただし,大家さんは家賃が滞納されてることを理由に勝手に入居者の部屋に上がり込んだり,無断でカギを交換してしまうことは出来ません。
家賃滞納者や管理費滞納者のパターンはおよそ二種類あります。これは,金銭的にルーズなタイプと収入が低下して家賃を払えないタイプに分けることができます。 いずれのタイプなのかを早期に見極めることが家賃回収のポイントです。
不定期に遅れるようだと、これは恒常的に資金不足を原因とする滞納と判断しなければなりません。
そのような家賃滞納者や管理費滞納者は家賃以外にも公共料金、携帯電話料金、保険料、年金、税金など未払いの滞納金が多くある場合があり、少ない収入をどの支払いに当てるか考えているはずです。
未払いにすれば利用不可能、または不利益を蒙る携帯電話料金や消費者金融の返済、電気代などを優先的に支払い、何のペナルティーもない家賃の支払いは一番後回しにしようということになり結果的に長期にわたって家賃を滞納してしまうケースが多いようです。
滞納家賃回収や管理費回収のため内容証明を出すにあたっては,正確を期す為には物件の表示は登記事項証明書通りに表示するのがベターです。また内容証明を出すまでに契約書など必要な書類は全て揃えた上で滞納家賃額に誤りが無いかチェックする必要があります。さらには,内容証明を出す前に滞納家賃を回収した後はその後も住み続けて欲しいのか,それとも物件を明渡して立ち退いて欲しいのかあらかじめ方針を決めておく事が重要になります。 また,居住者の職業や経済状況が入居時から変化している事もあり得ますので,同時並行的に信用調査も必要になります。
内容証明の期日に滞納者から反応があった場合,大家さんにとって家賃回収に向けての最大のチャンスです。
電話や手紙ではなくきっちりと家賃(管理費)滞納者と面談した上で,家賃回収方法(一括か分割か),期日,さらに滞納家賃の支払いが遅れた場合のペナルティーなどを記載した書面をあらかじめ用意します。また相手が明渡や立ち退き,退去に同意した場合にはその旨の書面も用意しておきます。
特に滞納者の私物が残留した場合の処分は大家さんの負担になってしまいますのでその点も気をつけてください。家賃回収のためにはタイミングとしっかり法的に詰めた内容証明や書類作成が勝負です。当事務所ではこれらの書類作成のご相談を承ります。
それでも家賃回収出来ない
内容証明を出してもまったく反応がない場合は,滞納家賃(管理費)を回収するにあたり簡易裁判所での支払督促や民事調停,少額訴訟(少額訴訟では明渡や立ち退きを求める場合には使えません)を視野に入れなければなりません。対応策は相手が払う意思があるのか,ないのか,払う能力があるのかないのかで変わって来ます。また家賃・管理費の時効は5年 であることも注意が必要です。
書式や書き方などは裁判所の窓口で教えてもらえます。ただ,債務名義を取得しても強制執行のための相手の銀行口座の調査などは大家さん自信がやらなければなりません。そのため何かと負担と時間,費用がかかります。さらには強制退去(強制執行)するにしても入居者の私物の処理などで費用がかかりますのでできれば訴訟まで行かないで解決するのがベターと思われます。具体例は滞納家賃回収具体例のページから