建設業許可は、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に必要となる許可です。
建設業許可取得のメリット
建設業許可を取得するメリットは以下のものです、
- 請負金額500万円以上の工事も施工することが可能
- 公共工事の入札などへ第一歩になる
- 元請業者さんからの信用につながる
- 融資などを受ける場合の信用につながる
などが挙げられます。請負価格が500万円未満の軽微な工事であれば、建設業許可は不要とされていますが、それでも建設業許可を取得するメリットは大きいと思います。建設業者さんが事業を拡大していくためには建設業許可を申請して取得することがは必須であると思います。
また最近はゼネコン等の元請がコンプラインアンスを重視していることから建設業許可取得の有無や法人化の有無で下請業者の選別をするようになってきています。兵庫県内の建設業の生き残りの為には建設業許可の取得は必須と思われます
建設業許可と経営審査のフローチャート
建設業許可の業種とは
1.土木工事業 2.建築工事業 3.大工工事業 4.左官工事業 5.とび・土工工事業 6.石工事業7.屋根工事業 8.電気工事業 9.管工事業 10.タイル・れんが・ブロック工事業 11.鋼構造物工事業 12.鉄筋工事業 13.舗装工事業 14.しゅんせつ工事業 15.板金工事業 16.ガラス工事業 17.塗装工事業 18.防水工事業 19.内装仕上工事業 20.機械器具設置工事業 21.熱絶縁工事業 22.電気通信工事業 23.造園工事業 24.さく井工事業 25.建具工事業 26.水道施設工事業 27.消防施設工事業 28.清掃施設工事業
建設業許可申請の区別【大臣許可と知事許可の区分】
●知事許可は、県内の営業所のみで営業する場合 申請者の主たる営業所の所在地を所管する兵庫県民局(許可行政庁)に提出します
●国土交通大臣許可は、他府県にも営業所を置く場合 兵庫県県土整備部県土企画局総務課建設業係を経由して、国土交通省近畿地方整備局(許可行政庁)あてに提出します
営業所とは、当該許可に関わる営業所のみを指すのではなく、当該建設業者についての許可に係る建設業を営む全ての営業所を含みます。さらにここでいう営業所とは本店支店または常時建設工事の請負契約を締結する事務所(出先機関)のことを指します。
また請負契約を締結しない営業所であっても他の営業所にたいして請負契約関する指導監督を行い、営業等に関して実質的に関与する場合は営業所とみなされます。
建設業許可【特定建設業と一般建設業の区分】
●特定建設業は、発注者から直接請け負う1件の元請工事について、下請人に施工させる額の合計額が3,000万円以上(建築工事業の場合は4,500万円以上)となる場合 特定建設業は、一般建設業より、「財産的基礎または金銭的信用を有していること」、「専任技術者」の二つ要件が厳しくなります。
●一般建設業は、特定建設業以外の場合
【一定以上の技術経験または資格を有する「専任技術者」がいること】
建設業を行うすべての営業所に、専任の技術者を置くこと。専任の技術者とは、次のいずれかの要件を満たす技術者のことです。
- 許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格を有する者(国家資格には、資格取得後に実務経験を要するものがあります。)
- 高等学校(又は大学等)で、許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業して、5年(又は3年)以上の実務経験を有する者
- 許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者
この資格を証明する書類 2級土木施工管理技士などの合格証の写し、常勤を証明する書類が必要になります(社会保険の月額報酬表の写しなど)。
建設業許可の誠実性
申請者が、不正または不誠実な行為をするおそれがないこと、が求められます。具体的には、「不正な行為」は「請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為」、「不誠実な行為」は「工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為」とされています。これは申請者が個人の場合は申請者自身と政令で定める使用人、法人の場合は法人とその役員及び政令で定める使用人が問われます。政令で定める使用人は、支配人、支店長、営業所長などが該当します。
【単独の事務所を有すること】
営業を行おうとする事務所が、申請者所有の建物であるか、申請者が借主で営業用としての使用を認められた賃貸(又は使用貸借)物件であること。
自己所有の場合
登記簿謄本(建物部分)、固定資産評価証明書、建物の売買契約書、登記済証等のうち、いずれか1点(原本提示)
賃貸等の場合
事務所として使用許可する旨の記載ある賃貸借契約書(原本提示)
建設業許可の【欠格要件等】
下記に該当する場合は、許可を受けることができません。
ア 申請書及び添付書類に、虚偽の記載や、重大な事実の記載漏れ等がある場合
イ 申請者や申請する法人の役員に、以下に該当する者がいる場合
- 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
- 禁錮・罰金などの刑を受け、一定の期間を経過していない者
- 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな者
- 暴力団の構成員である者
一番問題になるのが、申請するにあたり「経営管理者」の経験年数、「専任技術者」の要件不足,契約書・領収書控え・請求書控え・確定申告書控え,契約書の不在などです。