交通事故にあったら
人身事故の場合まずは病院に通い治療に専念してください。通院,入院における交通費,雑費なども補償の対象になりますので領収書などしっかり保存しておいてください。領収書が無い場合はメモ書きなどでいつ,いくら使ったかをしっかり保存してください。わからないと思った時点で専門家にご相談されることをお薦めします
交通事故にあってから示談交渉するまでの準備
- 修理費用の請求書(事故で車、バイク等が壊れた場合)
- 交通事故証明書
- 医師の診断書
- 治療に掛かった領収書全般
- 診療報酬の明細書
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書等
- 慰謝料等を計算した際の書面
交通事故で傷害を受けた場合には、入院であろうと、通院であろうと、治療は十分すべきです。
安易に治療を中断してから、「やはり具合が悪い」と、再度治療を始めても、事故との因果関係が証明しにくくなり、治療費の請求が困難になります。
また、保険会社が治療費を出し渋りをして、早く治療を中断しようとすることが多々見られます。
断固として抗議し、医療機関が症状固定したと判断するまで、治療を続けてください。
交通事故の場合であっても、何よりは、被害者であるあなたの体を治すことが第一なのです。
たとえ、保険会社が払わなくても、医療機関が症状固定と判断するまでの治療費は、取り戻すことができます。
示談交渉は通常、保険会社の社員を相手に行なわれます。彼らは交通事故の専門家ですから、当然、示談交渉も手馴れていますので何も知らなければ不利な条件で示談をしてしまうことになります。(又、会社の利益を守る為、支払う賠償金の額を減らす事に心血を注いでいます)
また後遺障害が残る可能性がある場合は、示談内容に後遺障害分の損害賠償を含むかどうか、後遺障害については事後に別個請求できるかどうかを明確にしておく必要があります。
こういう状況の中で、準備不足で示談交渉に行ったら、圧倒的に不利な状態で不当な示談を締結させられてしまう事は想像に難くないでしょう。
当事務所では人身事故や交通事故の示談書,過失割合の適正さ,休業損害(休業補償)の計算,慰謝料の計算などの文書作成を通じて被害者の立場からサポートしております。
一般に損害や補償の範囲と言われているものには3種類あります。
- 積極損害
- 消極損害
- 慰謝料
積極損害
積極損害とは,交通事故発生により出費を余儀なくされた損害を指します。具体的には怪我の治療費,入院治療費,看護費,入院雑費
葬儀費用(死亡の場合)車バイクの修理代などです
治療費
治療費は原則として実費全額
付き添い看護費用
入通院付き添い看護費用
- 職業付き添い人の場合は実費全額
- 近親者の場合は入院付き添い1日 4100 円
- 通院の付き添い(幼児,老人,身体障害者)は一日につき2050円 但し、医師が看護の必要を認め
た自宅看護料、及び12歳以下の子供の通院に近親者が付き添った場合
将来の付き添い看護費用
将来の看護費については原則として平均余命の間,職業付き添いの場合は実費全額,近親者の場合は常時介護が必要な場合一日につき,
6500〜8000円
入院雑費
入院中の諸雑費につき,1日につき1,100円とする。立証資料等により1日につき1,100円を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。
交通費
原則として実費
葬祭費
自賠責基準 60〜100万円
消極損害
消極損害とは交通事故が無かったならば得られていたであろう利益を損害として見積もるものです。
具体的には事故のによって働けなくなった期間の休業損害(休業補償)や後遺障害(後遺症)で労働力の低下などによる逸失利益です。
休業損害
受傷や治療のために休業した場合,現実に喪失したと認められる得べかりし利益,収入額
休業損害の計算方法は休業損害のページへ
慰謝料
慰謝料とは交通事故による精神的苦痛(精神的損害)を金銭に換算したものです。慰謝料の計算方法は慰謝料計算のページへ
被害者請求とは加害者に資力が無く、損害賠償を期待できない場合や任意保険会社との示談交渉が進まず、長引きそうな場合などに人身事故の被害者が加害者の自賠責保険に直接請求することです。
自賠責保険は被害者の救済を目的とする保険ですので、被害者の過失をほとんど考慮せず支払われます。
死亡事故の場合には、通常、ほぼ無条件で、最高限度額の3000万円全部が支払われます。(この場合,配偶者などの法定相続人が請求します)
但し、特別の事情がある場合、例えば、収入のない67歳を越えた人の場合には、損害がこの額に達しない(67歳を越えているので、就労可能年数を余命の2分の1までとして計算する)ので、自賠責保険の限度額までは支払われないことがあります。
自賠責保険金は被害者請求ができるので、治療費については、その請求手続きを病院にしてもらうことができます。
従って、保険会社が治療打ち切りを主張してきても心配がありません。
ただ、傷害の場合には限度額は120万円ですが入院が長びくとすぐこの額を越えてしまうことがありますので注意を要します。
自賠責被害者請求のメリット
- 手続きの透明性が高い。
- 提出書類や資料について自ら検討できる。
- 等級認定がされると、示談をする前に自賠責部分の賠償額が先に支払われる。
自賠責請求できる人
被害者が死亡した場合配偶者は常に請求できます
その他被害者が死亡した場合は
- 子(胎児を含む)などの直系卑属
- 父母などの直系尊属
- 兄弟姉妹またはその子
の順序になります
自賠責被害者請求先
保険金支払請求書に以下の書類を添付して人身事故の加害者の加入している自賠責保険会社に直接提出します(自賠責法16条)。
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 医師の診断書、死体検案書、後遺障害(後遺症)診断書
- 診療報酬明細書
- 通院費、看護料、雑費等の立証書類(領収証など)
- 休業損害証明書
- 印鑑証明 ・委任状と委任者の印鑑証明
- 戸籍事項証明書
場合によって不要なものもあるので、確認が必要。 なお被害者請求は交通事故が起こってから2年で時効になります
自賠責保険の補償内容
傷害による損害の場合
支払い限度額 被害者一名につき 120万円
支払い内容
治療費,看護料,諸雑費,通院交通費,義肢などの費用,診断書などの費用,文書料,休業損害,慰謝料
政府保障事業は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険(共済)の対象とならない「ひき逃げ事故」や「無保険(共済)事故」にあわれた被害者に対し、健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付(他法令給付)や本来の損害賠償責任者の支払によっても、なお被害者に損害が残る場合に、最終的な救済措置として、法定限度額の範囲内で、政府(国土交通省)がその損害をてん補する制度です。
自賠責との共通点 相違点
政府保障事業によるてん補金は、自賠責保険(共済)の支払基準に準じて支払われます。しかし、次のような点が自賠責保険(共済)とは異なります。
- 請求できるのは被害者のみです。加害者から請求できません。
- 健康保険、労災保険などの社会保険からの給付を受けるべき場合、その金額は差し引いててん補します。
- 被害者へのてん補額については、政府が全額加害者に求償します